派遣労働者と雇用保険
派遣労働者が現在の日本では増えてきています。
正社員ではないため、リストラの対象と考えられやすく社会問題にもなっています。
派遣労働者の場合は雇用主と実際に仕事をするところが違いますので、雇用保険の扱いが微妙に異なっています。
雇用保険被保険者証などは派遣元の企業がもっています。
雇用契約は派遣元との間で取り交わされるからです。
派遣労働者の場合は今までは1年以上の雇用見込みがある時に雇用保険の加入が義務付けられていました。
今年になって1年が6か月に変更になっています。
これは派遣労働者が置かれている状況が厳しいということを示しています。
1年以内に派遣労働の契約を打ち切られると雇用保険の加入がないため、すぐに生活難になってしまうのです。
不況のあおりで派遣労働者がたくさん解雇されたことが、問題となっているからです。
会社としては派遣労働者を質の高いアルバイトとしか見ていないということなのです。
このような状況は法律の整備によって、少しずつ改善されていくでしょう。
それでも、現実に生活できないでいる人たちがたくさんいます。
雇用保険の支給が受けられないか、または支給期間を過ぎてしまえば収入の道はなくなってしまうのです。
後は生活保護を受けるしかありません。
もちろん、再就職先があれば何の問題もありません。
家族を養う必要がある人ならば、アルバイトだけをやっていても生活できないのが現状です。
雇用保険被保険者証をもらうことはできないのです。
現在の不況は当分の間続くと見られていますから、労働者にとっては厳しい時代になったといえるでしょう。
特定受給資格者
離職した時には雇用保険から基本手当の支給を受けることができます。
基本手当の支給額は離職した理由によって変わってきます。
特定受給資格者になると支給額が一番多くなります。
この特定受給資格者は被保険者証とともに申請書類を出した時にハローワークで判断されます。
被保険者証は雇用保険の加入を示すものですが、特定受給資格者の場合は雇用保険被保険者離職証明書に会社都合と記載されている時に対象となります。
特定受給資格者の判断はどのようなことでしょうか。
基本的には仕事をする意思があるが、会社の事情により離職したという場合です。
倒産やリストラはもちろん該当しますが、そのための書類を提出しなければなりません。
会社の経営悪化により事業所が廃止になった時などもその対象になることがあります。
他の事業所に転勤になるわけですが、単身赴任が必要となるにもかかわらず、赴任できない事情がある場合などです。
また、自分の体力や病気などのために長時間の通勤ができないといった場合も会社都合と判断されるようです。
最近の例では上司や同僚の嫌がらせのために退職したケースなどが特定受給資格者になる場合があります。
どのような場合でも事業主と労働者の意見を聞いた上でハローワークが判断を行います。
その判断を行うためには証拠となる書類などが必要となります。
あなたが、会社の都合で仕事を辞めなければならなくなりそうであるならば、その証拠書類を残しておくことが大事です。
会社に敵対する必要はないのですが、労働者が自分の身を守るための手段を身につけることも必要なのです。
雇用保険の確認
雇用保険は失職等をした時に労働者を守ってくれるものです。
雇用保険の基本手当は労働者にとって、当面の生活費となるからです。
雇用保険に加入すると雇用保険被保険者証と雇用保険資格取得等確認通知書が発行されます。
被保険者証は雇用保険に加入した証明ですが、一般的には会社が保管しています。
もうひとつの雇用保険資格取得等確認通知書はハローワークが雇用保険に加入したことを本人に通知するための書類です。
会社はこの通知書を本人に手渡さなければなりません。
雇用保険は雇い主がハローワークに対して加入の手続きを行わなければなりません。
その手続きが行われているかどうかを、本人が確認することができるようになっているのです。
これは裏を返せば、手続きをしていない雇用者がいるということです。
雇用保険は退職した時に初めて必要になるものですから、その状況になるまで気にしていない人がほとんどでしょう。
急に倒産等をして職を失った時に雇用保険に加入していなかったという事態になってしまうと、本人にとっては非常事態となってしまいます。
失業保険がなければ収入のあてがないということですから、生活保護を受けなければならなくなるのです。
養うべき家族がいるのであればたいへんなことです。
ハローワークでは労働者が自ら雇用保険の加入の有無を確認できるような仕組みを設けています。
もし未加入であることがわかればすぐに対応してくれるでしょう。
雇用保険は強制保険ですから、すべての雇用者が手続きをしなければなりません。
自分の雇用保険も確認してみてはどうでしょうか。
雇用保険の支給日数
会社を退職する時には雇用保険被保険者証をもらうことになります。
これは雇用保険に入っていることを証明するものです。
被保険者証はハローワークで失業保険の申請をする時に必要になる書類の一つです。
失業保険では手当の給付期間中に再就職先を探すよう促しています。
では、実際の給付期間はどのくらいあるのでしょうか。
給付期間は退職した時の理由によって大きく変わってきます。
雇用保険と言うものが労働者の就労を進めるためのものであるという考えに沿っています。
自己都合による退職の場合は最大で150日です。
雇用保険の加入期間で90日から150日となっています。
それに対して、会社都合で退職した場合は90日から330日までです。
この場合は加入期間と年齢によって差が設けられています。
会社都合の場合は倒産やリストラなどが考えられますが、労働者が働くための条件が満たされなくなった状況と考えてよいでしょう。
会社都合の中には、不当な業種への配置転換や転勤なども含められます。
自分が会社を辞める時に会社都合なのか自己都合なのかを明確にしておくことが大事です。
それによって雇用保険の給付金額が大きく変わってくるからです。
もちろん、明らかな自己都合なのに会社都合であるとしてはいけません。
違法行為になってしまいます。
また、労働中の事故や病気などで働くことが困難になった場合には最大で360日までの給付が受けられるようになっています。
年齢によって給付期間が異なっている理由は再就職するまでの期間に差が出ることを想定したものと言えます。
働き盛りであれば再就職先はいくらでもあるということです。
雇用保険とアルバイト
雇用保険は労働者のためのものですが、アルバイトはここで対象とする労働者に該当するのでしょうか。
雇用保険ではアルバイトやパートであるからという理由では加入を拒否することはありません。
雇い主もアルバイト員から要求されれば加入しなければなりません。
被保険者となってもアルバイトなどの場合は短時間労働被保険者と呼ばれます。
正社員の場合とは区別されているのです。
また、アルバイトの場合にはいくつかの条件を満たしていなければ被保険者となることができません。
ひとつ目は週の労働時間が20時間以上であることです。
それから一年以上連続して雇用されるという見込みや予定がなければなりません。
最後に労働条件が雇用契約書や雇用通知書に明記されていることです。
これらを満足して雇用保険に加入した時に初めて被保険者となり被保険者証をもらえるのです。
アルバイトの場合はなぜこのような条件が付くのでしょうか。
被保険者証が長く雇用保険に加入した人のためのものであるということではないでしょうか。
アルバイトと言うのは正規の仕事をせずに、気が向いた時だけお金を稼ぐ人のようにとらえられているのです。
景気のよい時であれば、そのような事実はあったでしょう。
しかし、現代のように不況の状況では正社員になりたくてもなれない人が多いのです。
しかたなくアルバイトを続けているということなのです。
これからの雇用保険ではアルバイトやパートに対する加入条件や支給条件の見直しが行われていくのではないでしょうか。
どのような形で仕事をするにせよ、仕事をする意思は明確でなければなりません。
雇用保険者証
会社を辞めた時には雇用保険被保険者証というものをもらいます。
これは雇用保険に加入していたという証拠となるものです。
通常、雇用保険被保険者証は会社が保管しています。
会社に在籍している時には使用することがないからです。
退職して初めて見る人も多いのではないでしょうか。
失業保険の給付を申請する時に必要な書類の一つです。
被保険者証は健康保険証などと同じようなものですから、大事にしておかなければなりません。
紛失などをした時には再発行の手続きを行わなければならないのです。
ハローワークで失業保険の申請をする時以外はほとんど使用することはないでしょう。
ですから、具体的にどのようなものかを知っておく必要はありません。
被保険者と言うのは労働者であるということを意味しています。
日本では労働者は雇用保険に強制的に加入しなければならないからです。
被保険者証がないということは全く働いていないということです。
ですから、失業保険などがもらえるわけはありません。
しかし、現代のような不行の状況では就職ではなくアルバイトなどをして暮らしている人もいるでしょう。
そのような場合は雇用保険に加入していないことが多いですから、アルバイトを首になってしまうと途端に生活できないということになるのです。
会社や事業者が正社員を雇わずにアルバイトだけで済ますという理由はここらへんにも潜んでいます。
雇用保険に加入するということは会社も応分の負担をしなければなりませんから、できることなら加入させたくないというのが正直なところではないでしょうか。
雇用保険と給付制限
会社を辞めた時や辞めさせられた時には雇用保険からの給付を受けられます。
その給付額については辞めた理由によって大きく変わってきます。
雇用保険の被保険者証が受給資格を持つ証となりますが、受給金額はハローワークでの申請に基づいて決定されるのです。
被保険者証とともに受給の申請書類を提出して、受給が認められると受給資格者となります。
ここで自己都合によって会社を辞めたと判断されれば、給付制限が付きます。
給付制限が付くと給付が3カ月後となってしまいます。
これが会社都合で辞めたのであれば、特定受給資格者という位置づけになり給付は1週間後から始まります。
これは大きな差と言えるでしょう。
自己都合と会社都合はどのように判断されるのでしょうか。
まず、会社の倒産やリストラと言ったものは明らかに会社の都合によると判断されるでしょう。
会社が自己都合といっているのに自分は会社都合であると主張している場合が問題となります。
会社が転勤を強要したり、就職時の業種と別の仕事をさせたりしたために辞めると言う場合は会社都合と判断されるようです。
もちろん、これらを判断するのはハローワークですから、客観的な証拠が必要となります。
会社としては不用意に会社都合としたくないという考えはあるでしょう。
しかし、現代の労働者を取り巻く環境を考えた時には、会社都合で辞めなければならないというケースは多いと考えてよいでしょう。
いままで、会社都合であったのに自己都合となり給付制限を付けられていた人も多いのかもしれません。
雇用保険の理念
雇用保険は事業をしているところはほとんどが対象となります。
ひとりでも雇用をしていれば強制的に加入しなければならないのです。
日本中のたいていの労働者が対象となるといってよいでしょう。
しかし、失業した時の雇用保険の給付条件として在職の期間があります。
短期間であれば失業保険をもらうことができないのです。
会社を辞める時に雇用保険被保険者証と言うものをもらいます。
これは雇用保険に加入しているという証書のようなもので、在職中は会社が保管するのが一般的です。
失職して雇用保険の給付を受けようとする時に被保険者証が必要となるのです。
雇用保険は労働者を保護する目的で作られています。
会社の倒産や人員整理などによって収入がなくなった人が次の職場を探すまでの間の手当てとして支給があります。
通常の期間は90日程度です。
しかし、最近の経済状況では再就職先を90日以内に探すということが困難なケースもたくさんあります。
会社の都合で辞めざるを得なかった人の場合は給付金額が多くなるようになっています。
それは働く意思があるということなのです。
仕事がいやになったから辞めると言うのであれば、雇用保険の理念に照らし合わせてみれば何らかの制限がかけられるということは仕方のないことなのです。
また、短期間で離職する場合も同様です。
仕事が自分に合っていなくても、ある程度の期間は辛抱して働くということが必要なのではないでしょうか。
雇用保険をもらうために仕事をしているわけではないのです。
もちろん、会社が理不尽な要求などをしたために辞めるという場合は自己都合ではなく会社都合であると主張してよいのです。
雇用保険の支給額
雇用保険の給付とは離職した時に給料の補てんとしてもらえるお金のことです。
仕事をしている時には強制的に加入しなければならない保険ですから、ほとんどの人がもらう権利があります。
ただし、離職しても仕事をする意思があり、次の仕事を探すまでの手当てですから、給付期間などが決められています。
一般的な人の場合の給付額はどのくらいになるのでしょうか。
それまでもらっていた給料の額と、年齢、勤続年数などがその給付額に関わってきます。
勤続年数は雇用保険に加入していた期間とも考えられます。
離職する時に被保険者証と言うものをもらいますが、これが雇用保険に加入しているという証となります。
被保険者になった時の実際の給付金額を見てみましょう。
ひと月の給料が20万円の人の例です。
年齢が30歳未満で、勤続年数が10年未満であれば、だいだい40万円ぐらいになります。
給付日数は90日となります。
目安としては総額で元の給料の50~80%程度になります。
もちろん、給料が高かった人の方が給付率は少なくなります。
給料の差に関係なく、平均的に給付をするという雇用保険の趣旨によるものです。
賃金が低かった人の方が割合は高くなるということです。
また、給付金額に大きく影響する条件として離職の理由と言うものがあります。
これは会社の都合で離職したのか、自分の都合で離職したのかということです。
つまり、会社の倒産やリストラなどで離職したのであれば、給付金額は割り増しされるのです。
雇用保険が労働者救済のための保険であることを考えれば当たり前のことかもしれません。
雇用保険の基本手当
雇用保険の給付で一般的に言われる失業保険とは基本手当のことを言います。
これは離職した時に新しい仕事を探して再就職するまでの期間のつなぎの手当です。
雇用保険は被保険者となっていた期間によって給付額が変わってきます。
また、離職時の年齢や離職した理由などでも変わってきます。
雇用保険の給付を受ける時には被保険者証をもっていかなければなりません。
これは被保険者証の名が示す通り、被保険者であることを証明するものです。
これがないと給付が受けられないことになります。
もし、紛失などをした時にはすぐに再発行の手続きを取るようにしましょう。
ハローワークで雇用保険給付の手続きをする時には、給付条件に該当するかどうかがチェックされます。
そして、条件を満足していた場合に受給資格者となります。
受給資格者には特定受給資格者、特定理由離職者などの区別があります。
それぞれ、離職に至った状況に応じて給付額の上積みがなされるようになっているのです。
自分が退職する時にどのくらいの給付額があるのかを一度調べてみておくのもよいでしょう。
本当に会社が倒産した時に備えておくことも大事なのです。
最近の経済の状況は楽観できないのではないでしょうか。
大手企業でも倒産してしまうことがあるのです。
派遣労働者であれば、事態はすでにかなり悪くなっていることでしょう。
失業保険を当てにして会社を辞めるということはないでしょうが、当面の生活費としては非常に助かるということでしょう。
しかし、給付期間は限度がありますから、再就職を考えることが一番です。