耐震補強工事
実際に木造住宅の耐震補強工事とはどのようなものがあるのかみてみましょう。
もっとも簡単な方法は、壁を増やして補強することです。
効果も大きい方法です。
しかしあまり増やしすぎてしまうと、使い勝手が悪くなってしまいます。
壁の配置とバランスを考えて行わなければなりません。
地盤がゆるい場合、地盤の改善が必要となります。
その方法としては、家の下に杭を打ち込んで地盤を安定させ基礎を乗せる。
あるいは、地盤自体を改良してしまう。
どちらも大掛かりです。
簡易的なものとしては、沈下した部分のみを直す方法もあります。
しかし応急処置にすぎません。
土台や柱下の腐食部分を改善する場合、土台は取替えや柱の根継ぎをしなければなりません。
その際に必ず防腐、防蟻対策もします。
白蟻などにより建物は腐食していきます。
その原因を取り除くことも大事なことです。
白蟻などの発生要因としては、水分、湿気が大敵です。
水分は主に、雨漏り、結露、生活用水の漏れなどが考えられます。
どこから漏れているのかチェックをしてきちんとした対策を施しましょう。
床下に炭などを敷き詰めて、湿気をなくすのもひとつの方法です。
また結露については、壁に断熱材をいれるなどして対策をしましょう。
基礎については、20年ほど前まで無筋コンクリートを使用していました。
現在のべた基礎などより断然強度不足です。
このような場合は、コンクリートで基礎を一体化したり増やしたりします。
クラックなどの場合は、補修材で直します。
屋根に丈夫で重い瓦を使用している場合、軽量なものにすることで耐震性がUPします。
柱が抜けないように土台にしっかりと金具で固定して、足元補強をします。
接合部も抜けないように金具でしっかりと固定します。
このように耐震補強にはいろいろな方法があります。
耐震診断
大事な家族とその生活を守るため、家屋の倒壊を防がなければなりません。
今は各自治体の助成で耐震診断はほとんどの場合が無料でできます。
耐震補強工事も、自治体の助成金がでるところもあります。
今このとき、家の耐震強度を見直し地震に耐えられる家にしましょう。
耐震診断要否のポイントを示します。
以下に該当するような家は要注意です。
ぜひ耐震診断を耐震診断士に依頼してください。
1981年6月以前に建てられた建物である。
1階部分に車庫や店舗などがあり、壁が少ない建物である。
地盤がゆるい。揺れが大きくなり負担がかかります。
2階部分が1階より飛び出していてバランスの悪い建物である。
通常は1階が広く2階がそれより狭いほうが安定性はあります。
以上のような建物は早急に診断してもらいましょう。
では、耐震診断はどのように行われるのでしょうか。
まずは耐震診断士が現地調査にやってきます。
設計図などを見ながら耐震性能をチェックします。
建物の構造や築年数、屋根など外観をみます。
次に外壁、床、接合部などもみます。
建物躯体だけではなく、仕上げ材や家具備品のチェックもします。
これら仕上げ材や家具備品は、震度4程度の地震でもかなり大きな被害を受けたりします。
建物周辺の地盤や地形状態も判断します。
これらのことから耐震性能が悪いと判断されたとします。
その後最適な補強計画をアドバイスしてもらえます。
補強設計図が作成され、工事するかどうか持ち主が検討します。
補強工事を依頼すると工事開始となります。
防災について
地震発生時、家屋や室内を最小限の被害で食い止め安全に避難するために防災について考えましょう。
防災で大事なこと、それは人的被害をどうやって軽減するかです。
これは何よりも優先して考えるべきことです。
まずは、周辺地域の状況把握をすること。
周辺の災害リスクを知ること。
地域で配られる「避難マップ」などで、避難所を確認し避難ルートを知ること。
避難予定先を家族に知らせておくこと。
自宅内の外への避難経路を確認すること。
地震発生時の家族の連絡先を確認しておくこと。
地震の際は、携帯電話などは電気や電波の不通でつながらないことが多いからです。
携帯電話会社のHPなどにある、「災害伝言板」などの存在も知っておくといいでしょう。
あとは、寝室での安全を確保すること。
夜寝ている時に突然襲われると暗闇でガラス破片などを踏むかもしれません。
寝室には、懐中電灯やスリッパなどを置いておきましょう。
また、停電の際に自動点灯する懐中電灯などを配置しておきましょう。
避難後のことも考えなければなりません。
最低限の防災グッズを揃えておきましょう。
そして、自宅の避難経路上に保管しておきましょう。
逃げるついでにとることができるからです。
そして家屋について。
耐震診断や耐震補強を行いましょう。
室内の耐震対策を行っても、家屋が倒壊してしまっては何もなりません。
ブロック塀などの塀の補強も忘れずにチェックしましょう。
見かけはしっかりしてみえても、意外に弱いのです。
宮城県沖地震でも阪神・淡路大地震でもブロック塀の倒壊により多くの死傷者がでています。
家屋の耐震とともに、家屋周辺の耐震についても見直しましょう。