耐震&免震 比較
具体的に数値や形で表すと、「耐震」と「免震」ではどれくらい効果に違いがあるのでしょうか。
調査によると、建築基準法で定められた耐震住宅は震度6強で倒壊します。
耐震住宅は、建物本体、基礎ともに震度4~5弱が損傷限界です。
免震住宅は、建物本体、基礎ともに、震度6強~7まで大丈夫です。
さらに、免震住宅は地盤についても、震度6強~7まで液状化対応しています。
耐震住宅は地盤への対応はしていません。
このように免震だけが別格の基準なのです。
「耐震」「免震」とあわせて「制震」という言葉も耳にします。
「制震」とは、住宅1階の壁にダンパーを設置します。
その抑制効果によって2階以上で増幅する揺れを抑えるものです。
しかし、高い建物には有効ですが、戸建住宅での効果はあまりありません。
よって戸建住宅では、耐震と制震に違いはあまりありません。
「耐震」は住宅の1階に地震力がそのまま伝わり、2階は柱・壁などで増幅します。
「免震」は地震力を家の下に設置した、免震装置でカットするため地震力が小さくなります。
さらに「免震」は動きも小さくスムーズです。
地震後は、元の場所に自動的に戻ります。
家がずれたままにはなりません。
耐風性もあり台風にも強いです。
しかし、地盤が液状化しやすい場所には、免震住宅は建てられません。
「耐震」においても「免震」においても、上下動には対応しません。
横揺れだけです。上下動では、家具等の転倒はおきません。
よって上下動については考慮されてないのです。
こうみてくると免震住宅にメリットがとてもあります。
今は、「耐震+免震」を実現している住宅会社もあります。
家の諸条件、コストの問題もあります。
自分の家にあったタイプをいろんな会社で比較して探してみてください。
免震住宅
既存住宅の場合は、地震対策として耐震補強工事などを行います。
新居をこれから購入する場合はどうなのでしょう。
近頃、「免震住宅」という言葉をよく耳にします。
従来は「耐震住宅」が一般的でした。
最近はこの耐震住宅を進化させた究極の安全性をもつ「免震住宅」が注目されています。
「免震住宅」は建物を地面から切り離し、基礎の上に免震層を設置して、その上に建物がのるという構造です。
では、「免震住宅」と「耐震住宅」の違いはなんでしょうか。
「耐震住宅」とは言葉の通り、「地震に耐える家」です。
家は地震に耐えて壊れませんが、地震の揺れが直接伝わるので上階の揺れが増幅します。
そのため、家具などの家財が転倒するなどの被害をうけます。
「免震住宅」とは、「地震の揺れ自体を家に伝わりにくくする家」なのです。
地震の揺れを家に伝えないので、家に伝わる揺れ自体が小さくなります。
そのため、家具などの転倒や窓ガラスの破損などが少なくすみます。
家具の下敷きになったり、散乱したガラスで怪我をするなどの二次災害を防ぐことができるのです。
さらに精神的にも恐怖感を和らげ、ショックが小さくてすみます。
自宅内の給・排水管にも免震がほどこされるので、ライフラインが復旧すればすぐに通常の生活が送れます。
また現在の免震住宅は、強風にも強いため台風などの際にも揺れが少なくすみます。
さらに免震住宅には住宅ローンが低金利で借り入れできるサービスなどもあります。
耐震補強 家屋
地震対策として忘れてならないのが、家屋を守ること。
阪神・淡路大震災ではその8割が住宅等の倒壊による圧死でした。
木造建築が多い日本では、耐震に対し特に強く意識が必要です。
いつ発生してもおかしくない大地震に備えて、耐震診断を受けてみることはとても大事です。
1981年6月1日施工された新耐震基準以前に建てられた建物には特に必要です。
国土交通省の基本方針では、平成27年までに9割の耐震補強を完了しているのです。
国や地方自治体も耐震診断を無料で行なうなど補助をしています。
また税金面でも、耐震補強をすると所得税や固定資産税が安くなるよう助けています。
地震保険が割り引かれたりもします。
自治体ごとで補助制度が違います。
お住まいの地方自治体にご確認の上、現在の我が家の状況把握を行うことをお勧めします。
対象診断家屋としては、木造在来工法2階建て以上であることです。
持ち家であることです。
昭和25年以降平成12年5月までに着工された建物であることです。
それ以降の建物は現在の法律の耐震基準を満たしたものを建築しています。
ですから、耐震診断は必要ないと思います。
耐震基準を満たしていなかった場合の補強方法としては。
地盤の悪さが原因ならば、地盤改良をします。
大元の基礎が問題ならば、基礎補修をします。
他にも壁、屋根、土台、柱など多くの要因が考えられます。
これら全て重要なものです。
基準以下なら早急に補修を行いましょう。
耐震診断を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
自宅に回ってきて、勝手に診断しどこが悪い、直したほうがいいと診断する業者は危険です。
必要のない補修をされてしまう可能性もあります。
十分注意して、業者を選びましょう。
家具転倒
地震の際にまず危険なのが、タンスや食器棚、冷蔵庫などの大型家電の転倒。
転倒したものにつまずいたり、転倒の際に割れたガラスや食器などで怪我をすることもあります。
これらは事前の耐震対策にてある程度、軽減、防ぐことができます。
それぞれの家具対策を見てみましょう。
冷蔵庫…L字金具やチェーンなどで壁と固定するといいでしょう。
タンス…L字金具などによる壁との固定。
タンスストッパー、ふんばるくん(商品名)などタンスの下に引くだけでいいものもあります。
食器棚…L字金具やチェーンなどなどによる壁との固定。
突っ張り棒などの併用も有効です。
壁に穴を開けたくない人は、「ガムロック(商品名)」など粘着マット式になったL字道具もあります。
ガラスには、ガラス飛散防止フィルムなどを貼るといいでしょう。
窓ガラスにも貼っておくと効果的です。
また開き戸タイプのものは、地震などの揺れが発生すると自動的にロックがかかる扉フックもあります。
もっとも簡単な方法としては、耐震マットがあります。
引越しや家具の購入の際などに、家具の底につけるだけである程度の効果があります。
テレビなどは、金具がつけられないので、耐震マットで対応するのがいいと思います。
大地震の際は、重たいテレビでさえも倒れてきますから大変危険です。
突っ張り棒も効果的です。
家具や壁を気づけることなく簡単に装着できるので、便利です。
単体での使用より、他の金具との併用利用がより有効的だと思います。