抗がん剤治療と口内炎 続き
抗がん剤治療中の患者さんにみられる副作用、口内炎のお話の続きです。
初めのほうは、口の中がなんとなくざらざらした感じになり、焼けた感じがしたり、液体がしみてきます。
そして、粘膜が赤くなってしまう発赤で口内炎は始まります。
粘膜が腫れてプチっと、できもののようなものが見られるようになり、膿がついたような斑点が出てきます。
これからさらに進行すると、痛みを伴う潰瘍が出来てしまいます。
そして、そこから出血するケースもあります。
口内炎は粘膜ならどこでも出来てしまうのです。
唇や頬の内側、歯ぐきや舌、口の中全部が潰瘍のようになってしまい、食べ物を摂取できないほど痛みがあります。
どうですか?本当に辛そうですよね。
これは健康な人が、たまに口の中に出来る口内炎とは、レベルが違うことが良くおわかりになったでしょうか?
こうした抗がん剤治療の副作用で起こる口内炎はどれくらい続くのでしょうか?
通常であれば口内粘膜が再生するのは10日~2週間ですので、そのくらいで治ってきます。
ですが、次の抗がん剤投与が始まったり、口内炎からの感染がひどくなれば、もちろん治るのには時間がかかります。
特に抗がん剤と放射線を一緒に使った化学放射線治療ですと、咽頭部に放射線が当てての治療ですから、その部分も副作用が出てきてしまいます。
食べ物を飲み込む際に、とても強い痛みを感じ、口から何も摂取できなくなるケースもあります。
食べることが出来なくなれば体力も落ちますし、楽しみもなくなります。
ですから、口内炎は軽視できるような症状ではありません。
患者にとっては、痛いだけでなく精神的にもとてもつらいものでしょう。
抗がん剤治療と口内炎
抗がん剤治療の副作用で口内炎が起きてしまうケースも少なくありません。
食道がんの放射線治療の後に、口内炎になってしまい、喉の奥まで腫れて痛みが出てくる場合もあります。
そして何も飲み込めないくらい、口内炎がひどくなるケースもあります。
このように抗がん剤だけではなく、放射線治療の副作用でも口内炎になってしまうケースもあるのです。
一般の人は口内炎と聞くと、たいしたことないと思いがちですよね。
みなさん、一度は口内炎が出来たことがあるでしょうから、「ああ、あの口の中に出来る、あれね。」と、なんとなく症状がわかると思います。
そうして口内炎は軽視されることが多いのですが、抗がん剤治療の副作用で出来てしまう口内炎は、健康な人が思っている口内炎とは全く違うのです。
口内炎は抗がん剤による副作用で、これは症状が出る人が多く、およそ4割の患者さんがなっています。
一度発症したら、治療には時間がかかります。
口内炎が重症になってしまうと抗がん剤治療を続けられなくなる場合もあるのです。
また、抗がん剤治療を続けられたとしても、薬の量を減らすなど、治療にかなりの影響を及ぼします。
その上、口内炎から感染し、それが全身に広がる危険なケースもありますから、口内炎は軽視してはならない症状なのです。
口内炎は、抗がん剤を投与してから2日目から4日目くらいに出てきます。
放射線治療では放射線を当ててから、2週間目から3週間目ごろ、出てくることが多いです。