抗がん剤治療の副作用とグレード その3
抗がん剤治療の副作用を我慢できる人、出来ない人と患者によって個人差はあります。
我慢強くない人でも、抗がん剤治療の効果がとても出ていますよと言われれば、多少辛くても我慢してしまうでしょう。
効果より先に副作用が出てしまうこともあります。
副作用が耐えられないほどつらいようでしたら、担当医に早めに言うことも大切です。
さて、先ほど、抗がん剤の副作用についてグレードの6段階で表わすことをお話しました。
このように有害である抗がん剤治療の副作用は、その治療行為との因果関係も深くかかわりがあると思われがちですが、実はこれとは関係なく評価が出されます。
これはどういうことなのでしょう?
治療行為との因果関係はまた別の方法で示されているということです。
治療との因果関係は、「間違いない」、英語では「difinite」、「関係が薄い」英語では「unlikely」、とグレードとは別の評価があるのです。
これは有害である事象ごとに因果関係を評価しています。
記載する方法としては例として「白血球減少 グレード3」「因果関係、間違いない」のように書かれるのです。
医療機関ではCTCAEで示されたグレードなどどのように活用しているのでしょうか?
CTCAEに従った有害事象の問診表を、治療終了後に患者に記入してもらっているところもあります。
こうしてデータベースを作成し、各治療コースのデータが見られるようにして活用している病院もあるということです。
抗がん剤の副作用とグレード その2
抗がん剤治療による副作用のグレードのお話をしている続きです。
先ほどお話したように、6段階のグレードに分かれている副作用の危険度ですが、ちょっと難しかったかもしれませんので、わかりやすくお話します。
アメリカのNCIという機関では、それぞれの抗がん剤に対しての危険度を6段階に区分して評価を公開しているわけです。
抗がん剤治療を始めて何も副作用の症状が出ない場合や、なんとなく調子が良くないが、薬がいらない状態であり、数日経過したら収まる程度のものはグレード0または1となります。
このケースであれば、患者は副作用を我慢しながら、抗がん剤治療を続行することが出来ます。
そしてグレード2以上となると、副作用の症状に、薬を飲むなどの処方、処置が必要になってくるケース、また抗がん剤投与を中断したり、次回投与を延期したりする必要があるケースです。
グレード3以上になるともっと副作用がひどい状態になり、グレード5では死亡してしまいます。
では抗がん剤治療における副作用のひどさ、重さはどのように計るのでしょう?
これらの副作用は、血液データの数字でわかったり、自覚症状であったりします。
数字で現れるのであれば、担当医がわかりますので、患者自身は安心です。
ですが副作用を自覚症状で判断するのは個人差があります。
患者によって、症状を我慢できる人もいれば、我慢できない人もいますよね。
例えば、我慢強い人と、そうでない人、患者もいろいろなタイプもいますから。
抗がん剤の副作用とグレード その1
残念ながら抗がん剤治療における過程で死亡はありえることです。
「肺がん治療薬イレッサ」による薬剤事件は代表的なものであり、ご存知の方もいらっしゃると思います。
他にも、抗がん剤治療の副作用で心配される症状は、貧血、または白血球、血小板が少なくなってしまう血液毒性、それに伴う感染症、出血などがあります。
また、心毒性になることで重症な不整脈、心不全を引き起こすこともあります。
腎毒性が引き起こす腎不全、肝毒性でなってしまう肝不全、そして消化管粘膜障害によって起こされる腸炎などが死亡に繋がるケースがあります。
抗がん剤治療に伴う副作用、これがレベルで示されていることをご存知でしょうか?
段階として1から5まであるのです。
この副作用の段階が上がるに連れて、抗がん剤投与により死亡してしまうリスクが強くなるということです。
アメリカには「National・Cancer・Institute」、通称NCIと呼ばれる機関があります。
このNCIが定めている有害事象判定基準というものがあります。
これは英語で「Common・Toxicity・Criteria・of・Adverse・Effect」、通称CTCAEと呼ばれるものなのです。
このVersion3が、抗がん剤の有害事象の評価に使われます。
そこで定められているグレード0からグレード5の6段階の評価があり、グレード0が正常な状態で、上になるほど危険で、グレード5が死亡ということになります。