食欲のメカニズムについて

食料を摂取したいという欲、おなかが空いたという自覚の根本に食欲があります。食欲とはほとんどの生物が持ち合わせている欲求であり、生命維持に必要な栄養を摂取するために存在します。消化器官と脳で食欲の程度はコントロールされています。食欲の調整障害は、拒食症や肥満をもたらすことがありますし、体内時計も食欲に影響を与えるといわれています。食欲は喉の渇き、睡眠などとともに、個体保存に関わる一次的要求です。食欲を感じるのは脳の視床下部にあるとされており、栄養素の不足が直接的間接的に関係しています。食欲の因子として重要なのは味覚です。味覚が介在するかどうかで、生理的に同じ飢餓状態でも食物の摂取量が異なってきます。何らかの理由で、食物をチューブを通して直接胃に注入すると、口を通して味わう場合よりも食欲は低下します。現代人は一般的に1日2回~3回の食事を摂っていますが、食欲はこの回数や時間によっても作られており、好みだけでなく習慣も関わっています。飢餓感が募り食欲が増すままでは凶暴性が増す人や精神的にうつの症状が出やすくなり、反対に食欲が充足している状態では満足感や幸福感を感じやすいともいい、食欲は精神状態に影響を及ぼしています。食欲は、恐怖や不安なことがあると感じにくくなります。絶食を数日続けていると食欲は上昇していきますが、ある一時期を越えると食欲がすとんとなくなります。様々な要因が食欲には密接に繋がっていると言われています。