ターンオーバーと美白

表皮の一番内部にある基底層で新しく作られた細胞は、順々に表面側へと移動していきながら、最後は一番外側の角質層で角質細胞になります。
角質細胞は、ある程度の期間その場に留まった後、表面から順番にアカとして剥がれ落ちていきます。
この一連の代謝のことを、「ターンオーバー」といいます。
ターンオーバーは、通常6週間程度という一定のサイクルで行われています。
肌が健康な状態では、このサイクルが崩れることはなく、角質層も常に一定の厚さに保たれ、厚くなったり薄くなったりすることはありません。
ターンオーバーは表皮でのみ行われ、その下の真皮では行われないため、真皮に傷がついてしまうと完全には元に戻りません。
そのため、真皮には強力にガードしてくれる何かが必要で、その役割を果たしているのが、表皮というわけです。
シミの原因となるメラニン色素は、基底層にあるメラノサイトという細胞で作られ、真皮に紫外線が届かないように、黒いカーテンのような役割をしています。
メラニン色素は、ターンオーバーにより角質層まで押し上げられ、やがて角質細胞となり剥がれ落ちていきますが、加齢とともに基底層の働きが弱ってくると、真皮に落ち込んでしまったり、ターンオーバーのリズムが狂ったりということが起こります。
これがシミとなって残ってしまう原因です。
美白化粧品は、メラニン色素生成を抑制するものがほとんどですが、最近では、ターンオーバーに重点を置いた美白化粧品も登場しています。