美白に対する意識
2000年代に入り、女性の間では、肌を白くする美白ブームに徐々に火がつき始めました。
それまでは健康的な肌色に人気が高く、また、1990年代には日焼けサロンで顔を黒く焼く「ガングロ」が女子高生の間で流行ったりもしました。
その後、一変するかのように美白がブームになった背景にあるものは、化粧品の進化による影響が大きいと言われています。
1990年代、化粧品メーカーのほとんどが、美白成分について研究開発を始めました。
そのため、2000年代にかけて、化粧品の美白市場が急成長し、美白は紫外線の強くなる春夏のためだけではなく、年間を通して使用する傾向が強くなりました。
ベーシックなスキンケア用の化粧品にも美白成分が配合されたものが登場し、それまであまり美白を意識していなかった女性にも浸透していきました。
ここ数年は、化粧品全体のなかで美白化粧品が占める割合が、1位の保湿化粧品に続いて、2~3位で推移しています。
16~64歳の女性に行った、2004年から2006年においての調査では、肌の悩みの1位は「シミ」で、シミを薄くしたいと思っている女性は全体の6割にものぼるという結果が得られました。
また別の調査では、最近は、「シミ・そばかすを予防したい」という部分的な美白に加え、「透明感のある、明るく白い肌に見せたい」という顔全体の美白への願望が強まっているそうです。
好きなファンデーションの色を選んでもらうと、専門家が実際に選んだその人になじむ色よりも明るい色を選ぶ女性が多いという調査結果もあります。