抗がん剤TS1とは? その2
先ほど、抗がん剤TS1が幅広く抗がん剤治療に使われている薬剤だとお話しました。
臨床試験の結果でもTS1の効果が期待できる数字が出ています。
では、TS1の副作用にはどんな症状があるのでしょうか?
それは他の抗がん剤と同じように悪心や、嘔吐、吐き気、食欲不振などがあります。
また消化器症状、口内炎、そして下痢などの症状も副作用としてあげられます。
TS1の成分である5-FUが、がん細胞を攻撃する際、同様に骨髄にダメージを与えてしまうこともあります。
その結果、白血球、赤血球、そして血小板が減少してしまいます。
これらが減少することによって、貧血症状が起きたり、出血したり、または感染症の恐れが出てきてしまうのです。
TS1だけではなく、どうしても抗がん剤治療には副作用が付きまとってしまいますが、もし耐えられないほど苦しいのであれば、遠慮せずに担当医にその旨を伝えたほうが良いでしょう。
薬剤の量や組み合わせなどで副作用は変わってきます。
症状によって投与する抗がん剤の種類や量を変えてもらいましょう。
ところでTS1は一体どれくらい前から抗がん剤治療に使われているのでしょうか?
1999年から大鵬薬品工業株式会社が抗がん剤「TS-1」という薬剤を販売しています。
これは経口抗がん剤として幅広く使われています。
このTS-1の主要成分は何かと言うと、オテラシルカリウム、テガフール、そしてギメラシルの3剤です。
5-FUががん細胞を攻撃する効果を活かしつつ、同時に副作用を軽くすることを目的として開発された抗がん剤と言えるでしょう。