美白成分-トラネキサム酸

トラネキサム酸は、抗炎症作用、抗止血作用などがあり、止血剤として使用されていました。
以前から、歯槽膿漏による出血を抑えるために、歯磨き剤の成分としても配合されています。
そのトラネキサム酸に優れた美白効果があることがわかり、シミなどの治療用として皮膚科で処方されたり、美白化粧品に配合されるようになりました。
トラネキサム酸が、その美白効果を一番発揮するのは、肝斑(かんぱん)と呼ばれるシミに対してです。
肝斑は、妊娠中の方や更年期の女性のホルモンバランスの乱れによって引き起こされる女性特有のシミで、目の下にもやもやとした感じで左右対称にできます。
黄体ホルモンなどの女性ホルモンの影響で、メラノサイト活性化因子であるプラスミンがメラノサイトを刺激し、メラニン色素の生成を促すために出来ると考えられています。
紫外線による比較的くっきりとしたシミとは区別が付きやすく、また、それらのシミと異なり、美白化粧品やレーザー治療などで治療することが難しいシミでもあります。
トラネキサム酸は、プラスミンの働きを阻害して、メラノサイトの活性化を抑制するとされ、肝斑の治療に効果のある唯一の成分であるとされています。
また、もう一つの特徴として、シミ以外の周囲の皮膚には影響を与えないため、シミの部分だけが白くまだらになるというトラブルが起こりにくいことが挙げられます。
シミの炎症を抑制することで、自然を肌色になじむようになるといわれています。
ビタミンC、ビタミンEといったサプリメントと一緒に使うことで、その効果が高まることがわかっています。